映画「モンスターハンター」がつまらなかった人のために【ネタバレあり】

・サイドストーリーという視点を導入すると、面白くなる

3/26、モンハンの映画が公開されたので午前の回の字幕版を見てきた。

 

ネタバレがある、というかネタバレばかりになる記事なので注意してください。でも、映画「モンスターハンター」の面白さが見えてくるはずの記事なので、まだ見てないけどちょっとネタバレしてもいい、かつモンハンの設定についてあまりよく知らないけど見にいくという人は予め見ておいた方がストーリーの意味がわかって映画を楽しめるかもしれない。

 

正直、エンドロールが流れ始めた時の筆者の感想としては「???」というものだった。それも悪い意味で。

 

アルテミスと調査班リーダーと大団長でゴアマガラに突っ込んでいくシーンで不穏な雰囲気を感じ取ったが、案の定「俺たちの戦いはこれからだ!」と言わんばかりにスタッフロールが流れ出した。この時点で劇場から出て行った人も多かった。ネルスキュラディアブロスリオレウスとの戦いでハッピーエンドでよかったものの、まさかのゴアマガラの登場、そして謎の打ち切りマンガオチ。そりゃあ酷評したい気持ちもわかる。まあ、この点に関しては確かに続きをちゃんと見せてもらわないと困る(まあ、興行収入的にきついと思われるが)。正直、この記事を書いているのも、続きを見るためにはこの映画が面白いものだという認知が広がって続編の制作が決まらなければいけないからでもある(ネタバレしておいてそりゃないぜ、と思うかもしれないが)。

 

ただ、スタッフロールが少し流れた後、もうワンシーン入る。そこでは、天廊でゴアマガラとの戦闘をする3人を、天廊の最上部から見下ろす怪しいフードの人物が一瞬だけ映るのだ。そしてようやくエンドロール。

 

「続編作る気満々だけど、その見込みは本当にあるのか?」と思った。だが、エンドロールの間、冷静にこの映画のストーリーを辿ってみるとあることに気づいた。そして、みるみるうちにこの映画で表現されているストーリーの全貌が見えてきた。そして思った。

 

この映画、めっちゃ面白いし、モンハンの設定をかなり調べて作られているぞ

 

最初は、ゲーム版のモンハンにオリジナルの要素付け加えすぎて別物になってる、とか、バイオハザード戦国自衛隊の魔合体じゃねえかと思ったが、この映画は紛れもなく「モンスターハンター」の再現、どころか、本編の世界観を忠実に描いた新しい物語になっているのだ。

 

ただ、モンスターハンターのライトユーザー、というか、モンハンの裏設定について無関心なプレイヤーからしたら全く意味不明なトンチキ映画に見えてしまうというストーリーの構造自体に問題がないとは言えない。あと、そもそも裏設定は公式ストーリーと同等に扱っていいのか曖昧なのものなので、裏設定との結びつきを必須とするストーリー作りをしていることにちょっと批判したくなる。でもまあ、モンスターハンターワールドではストーリー内でちょっと裏設定に触れたりしているので、もしかしたら今後モンハンは裏設定を前面に押し出してくる方針なのかもしれない。今回の映画も踏まえてね。

 

さっきから「裏設定裏設定」と言いまくっていて、肝心の内容について全く話していないので、そろそろ本題に入ろうかと思う。とはいえ、その前に何を話すかについてざっくり提示しておこう。

この記事で主に触れることは、

・なぜ新大陸調査団なのか

・「Our world」と「New world」を繋ぐ天廊の伏線はすでゲーム中に示されていたこと

・ラストの謎の人物は誰か

・個人的な妄想

この四つである。そして要旨は

「モンハンのバックボーンとなっているストーリーがわかると、この映画はめちゃくちゃ面白い」

ということである。適宜モンハンの過去作で示されている今回の映画への伏線と裏設定を継ぎ足しながら説明していく。

 

・なぜ新大陸調査団なのか

まず、なんでこいつらが主要キャラに選ばれたんだろうと思う人もいるかもしれない。発売に合わせてライズにすりゃあいいのに、とか、無印モンハンがモンハンの原型だろうに、とかね。

だが作品の時系列やゲームのストーリーを整理すると、本作で彼らが「いつ」「どこで」「何を」「なぜ」しているかがわかる。

 

①この作品内の時間はモンスターハンターワールドアイスボーンクリア後の世界である。

まず、作品冒頭で示されている通り、受付嬢と五期団の推薦組の面々が揃っている(ゲームの主人公はいないが)。つまり、少なくともモンスターハンターワールドのゲーム開始時よりも後であることがわかる。

そして、モンスターハンターワールドアイスボーンの配信クエスト「Our world」の受注条件はMR1以上である。つまり、大団長が英語を学習するきっかけとなった出来事は少なくともゼノジーヴァ討伐後の新大陸である。

大団長がどれだけ熱心に勉強したとしても、英語をマスターするにはそれなりの年月がかかるだろうから、あとで説明する理由も合わせてこの作品に登場するのはアイスボーンクリア後の新大陸調査団だと推定できる。

 

②「New world」での舞台は現大陸である。

前提知識として、モンスターハンターワールドは新大陸という未開の大陸が舞台となっている。そして、それ以前のモンスターハンターシリーズは現大陸という古代文明が残る大陸が舞台となっている。新大陸調査団は現大陸のハンターズギルドから派遣されて新大陸のモンスターや環境を調査しているという設定だ。しかし、映画「モンスターハンター」では、この新大陸調査団の面々が現大陸で行動していると読み取れる。その理由はいくつかある。

・冒頭で調査団が乗っている船は、新大陸で登場したものではなく現大陸でハンターズギルドが使用しているものに酷似していること。

・武器にはハンターズギルドの刻印がされていること、また、ボーン武器で統一されているのも新大陸の素材や環境物を現大陸に持ち込んではいけないことからきていると説明できること。受付嬢はすでにルール違反をしているが。

・砂漠にダレンモーランの死骸があること。古龍渡りで海を渡れそうにないダレンモーラン(水耐性はそこそこ)が仮に来ていたとしても、新大陸では古龍の死骸は瘴気の谷に集まるはず。

・作中の砂漠が大蟻塚の荒地だとしたら森林は古代樹の森になるが、アステラは大蟻塚と古代樹の森の中間点に位置するので、作中で砂漠→森林→天廊という順番で遠征をしていることと矛盾する(ビジュアルのモデルは大蟻塚らしいが)。新大陸ならアステラから古代樹の森、天廊と向かうはずだし、そもそも新大陸には大型建造物は確認されていないこと(新大陸の奥地に未発見の遺跡があると想定しても龍結晶の地を越えないといけないし、導きの地としても、植生がすぐに変わるはずである)。

ネルスキュラは新大陸では確認されていないこと(いないとは言えないが)。

また、調査団が現大陸にいるとしたら、やはりアイスボーンクリア後である可能性は高い。アイスボーンのミラボレアス討伐作戦で調査団は初めて現大陸での任務につくからだ(陽気な推薦組は別、あくまで調査団として)。そしてその後に、討伐作戦の功績がハンターズギルドから大いに認められるのである。

 

③新大陸調査団はギルドからの依頼で現大陸調査をしていた。

ここから推察できることは、「ミラボレアス討伐の功績を買われて、ハンターズギルドから古代遺跡の調査も任された」ということだろう。

あくまで表面上は、という話である。ハンターズギルド上層部にとってアルバトリオンの一件で目の上のタンコブだった新大陸調査団をミラボレアス討伐作戦の最前線に放り込んでも消せなかったので今度は危険な遺跡調査を任せたとも考えられるが……考えすぎかもしれない。

これなら映画の描写にも矛盾がなくなる。新大陸調査団が現大陸にいるのもそうだが、総司令やソードマスター、五期団推薦組(ワールドの主人公)の姿が見えないのも、新大陸の留守を任されているからであろう。

これもまたハンターズギルド上層部の話と絡めるとなぜこのメンバーか予想できる。新大陸調査団の次期総司令は調査班リーダーだろうし、古龍の秘密に対して好奇心が強すぎる受付嬢、新大陸の環境に詳しい大団長など、どれも新大陸調査団の主力メンバーが編成されている。特に受付嬢は消さなければならない人物と言える。対して、年齢的に限界の近い総司令や技術的にというかまあいろいろ限界なソードマスター、そして数多くの脅威を討ち払ってしまう主人公を新大陸に残しておくのはギルドにとって都合が良いはずだ。

 

・「Our world」と「New world」を繋ぐ天廊の伏線はすでゲーム中に示されていたこと

さて、本作の重要な目玉となるのが「Our world」と「New world」を繋ぐ『天廊』という塔、いや塔というより装置である。

これがあるからアルテミスをはじめとしたアメリカ陸軍がモンスターハンターの世界へと転移してしまう。正直、この天廊の明確な機能が明らかになったのは本作が初めてで、だからこそこの映画「モンスターハンター」はテンションが上がるのだ。「あの天廊とそれにまつわる謎の言い伝えが、まさかこういう形で回収されるとは!」と。

天廊とは、古代人の建造した建築物である……が、基本的に古代人の作った建造物は使用用途が決まっていたりする(単なるやぐらや居住地というわけではなさそうだ)。モンスターハンターのゲーム内では海底遺跡やシュレイド城などがそうで、あれは対古龍迎撃要塞となっている。

今さらっと古代人と述べたが、この古代人というワードが結構重要なのである。古代人は、単にモンハン世界の住人の先祖というわけではない。モンハンの世界観では、現在のモンハン世界の住人とは明確に区別されるべき人間としての意味合いを込めた上で古代人と呼ぶことが通例だ。何せこの古代人、ヤベー奴らだからである。

モンハンの世界を見て不思議に思うことはないだろうか。原始的な狩猟採集を生業とする者がいたり、社会やインフラの水準は明らかに現代人と比べて低レベルであったりするのに、砂漠を走る船や大規模な木造飛行船など、現代でも再現が難しい技術が存在する。また、武器に属性を付与したり、属性のエネルギーを制御するスラッシュアックスチャージアックスなど、現代では到底考えられない技術も存在する。モンスターハンターは「リアルな世界観を目指したゲーム(一ノ瀬ディレクター談)」にもかかわらずだ。実はその鍵を握るのが、古代人なのである。

古代人は現在では到底考え付かないレベルで技術力が優れていたらしい。もう激ヤバで神の域だったらしい。少なくとも、現在のモンハン世界の住人からしたら、理解不能なほどに。そして彼らは強大な技術力を持て余し、ある禁忌を犯すことになる。

それは、人造ドラゴンを作成すること。

古代人は過去にイコールドラゴンウェポンと呼ばれる生物兵器の開発を始めた。これは筆者の推測だが、最初はおそらくドラゴンに対する自衛手段を目的としたものだったと思われる。

しかし、製造方法がだめだった。一体のイコールドラゴンウェポンを作るにはドラゴンの屍を30体集める必要があった。そして始まるドラゴン乱獲祭り。これに憤慨したドラゴンと人間との間で戦争が勃発し、ドラゴン陣営の最終兵器にあたるミラボレアスが古代人最大の王国であるシュレイド王国を破壊。ただ人類の抵抗も強力で両陣営共に深傷を負い、当時のドラゴンである古龍は姿を消し、古代人の文明は潰えてしまった。無印モンハンだと、主人公ハンターがモンスターを討伐しまくったせいでミラボレアスが復活する。

というストーリーがある。つまり、現代のモンハン世界は古代人のロストテクノロジーをなんとか再利用してモンスターから自衛する弱き人類なのである。そしてまた、古代人に対してほぼ無知なのが現在のモンハン住人なのである(だからこそ、現代の住人である調査団は天廊の調査をしている)。

しかし、古代文明の痕跡としての古代遺跡は前述した通りモンハンシリーズでは数多く存在する。そして、今作に登場した天廊もその一つだ。

さて、その古代人の作った天廊だが、「モンスターハンター フロンティアG6 プレビューサイト|天廊 謎に包まれた塔」には、以下の説明がなされている。

 

「我々は、取り返しのつかないことをしてしまった。許せ…許してくれ…」
そう呟くと、古代人達は、次々と姿を消した。 大型探査船で各地の調査を行っていたギルド職員から、これまで発見されていた「古塔」とは異なる、巨大な建造物を発見したとの報告があった。早速ギルド職員は中の調査をしようと試みたが、生息している凶暴なモンスターと、あちこちに仕掛けられた罠により、それはかなわなかった。
 
━━ここには、何かある。
 
ギルドはこの「塔」よりも巨大な建造物の調査を最重要調査事項として定め、すぐさま調査隊が結成された。数回の調査で明らかになったのは、この巨大建造物は古塔に比べ、さらに高度な文明で建造されたものであること
(略)
この建造物がどういう意図で建造されたかまでは、未だ不明である。
 また、かなり長い年月人の手が入らない状況であったらしく、多くのモンスターがこの建造物内に棲みついていたそのため、この巨大建造物の調査には、ハンターの協力が必要であるとの結論が出るまでに、長い時間は要さなかった。 

 

この天廊のポイントをまとめると

・古代人たちは消息不明である(モンハン世界にはいない?)

・他の遺跡とは技術も目的も異なる高度な建造物であった

・モンスターが棲みついている

ということになる。しかし、この謎についてはゲーム内で明かされることなく、モンスターハンターフロンティアはサービスを終了した。つまり、この天廊の正体はモンスターハンターファンにとって未解決の謎として残っていたのである。

そこで、今回の映画「モンスターハンター」である。

古代人たちが消息不明になった原因、そして他の遺跡とは桁違いの技術が込められているという設定、これの一つの答えとして、「異世界とのゲートである天廊」が登場した。

これは案外盲点というか、ぶっ飛んではいるが、確かに納得できる新情報である。古代人の遺跡は数多く見つかっているが、古代人の遺体は発見されていない。文字通り姿を消したのである。しかし、天廊によって生き残った古代人が別の世界へ逃げたとしたら、その謎にも解が与えられたことになる。もちろん天廊の不可解な設定にもだ。

また、明らかに他の古代遺跡と区別して天廊を「高度な技術で作られている」と説明している不自然さも、確かに異世界転送装置ならばうなずける。

また作品内で「番人」と呼ばれていたリオレウスも、このモンスターハンターフロンティアの設定である「番人モンスター」を意識していることは明らかだ。番人モンスターは強化個体のものもいるので、作中リオレウスの強力さはそのせいだろう(デカさとかも含めて)。映画でリオレウスを内部破壊したり、現代兵器でダメージを与えるのもモンスターハンターフロンティアの天廊ではギミック使用でモンスターを倒すという仕様をオマージュしているのかもしれない。これは妄想だけれど。

とにかく、映画で描かれたこの天廊という目玉的な要素は、モンスターハンターファンの長年の謎に一つの解を与えた重要な要素と言えよう。

ここまで説明したが、共通点をあげただけで推測の域を出ないだろう、と思う人がいるかもしれない。だからダメ押ししておこう。実は、インタビューで監督がそう言及しているのだ。以下がその記事である。

 

jp.ign.com

 

冒頭で述べたことを先に答え合わせした形になるが、インタビュー内で言及されている通り、この映画はモンスターハンターの裏設定を基調にした、今までほのめかしに留められていたモンスターハンターの重厚なストーリーを最大限に表現した作品なのである(ただし、道程がカットされているのかはわからないが、作中では天廊が火山に囲まれた地形であるということについての描写はされていなかった)。

 

・ラストの人物は誰か

映画の最後に登場したフードを被った人影。あからさまな続編への布石ではあるものの、ストーリーのオチを丸投げしたわけではない。モンハンのストーリーを知る人なら、心当たりがあるはずである。

まず、監督のポール・W・S・アンダーソン氏が先ほど引用したインタビュー記事で言及していた部分を取り上げる。

この古代文明が深い部分に存在していたというアイディアは、ゲームをプレイしていると時にはこの文明の遺跡に遭遇し、その文明に破壊をもたらした先進的な文明にも遭遇するということを示している。そしてこれら一連の遺跡の1つが、映画の最後のシーンにおける大きな背景になるんだ

 翻訳の難しさのせいか、監督がやけに遠回しな表現を選んでいるのかわからないが、 マジで何を言っているかよくわからない。

ので、原文を拾ってきた(12 Cool Monster Hunter Movie Details Fans Will Care About - IGN

“The idea that there was this Ancient Civilization that existed in the deep parts, and which, when you’re playing the games, you sometimes kind of stumble upon the ruins of this civilization, an advanced civilization that brought about its own destruction. And one of those sets of ruins provides… a big backdrop for the final act of the film.”

まあわけわからない。筆者の英検3級の英語力で日本語としてわかりやすくなるように訳すとこうなる(本当に申し訳程度のものなので、あまり参考にしないでもらえると助かるが、理解を少しでも助けるために書き加えた)。

 

「物語の根底に存在する古代文明があるという発想、あるいは、プレイ中に遭遇する遺跡による『古代文明を滅したある先進的文明がある』という発想。

そして、これら一連の遺跡群(の設定・体験?)がラストシーンの背景をもたらしてくれる」

 

(日本語記事とだいぶ変わっちゃったけど、「示してくれる」って術語が原文にはないような……。)英語能力が低いので誰か妥当な翻訳を教えて欲しいが、とりあえず先に進もう。

 

まあとにかく、ラストシーン、つまり謎の人物には古代文明の設定と「古代文明を滅したもの」の設定が絡んでくる、みたいなことは確かだろう。

古代文明を滅したもの……これはモンスターハンターワールドアイスボーンをクリアした人ならわかる。そいつの名前はミラボレアスだ。

ラストシーンにミラボレアスに関わる要素があっただろうか。アルテミスも調査班リーダーも大団長もミラボレアスと関係がないし、強いて言うならゴアマガラが古龍の幼体だったり、大量虐殺ドラゴンとしての設定を持っていたり、ややミラボレアスと重なる程度の設定を持っているだけである。

だが、最後に現れたフードの人物はどうだろう。

ミラボレアスが人間と関係あるわけないだろ!! いい加減にしろ!

という人もいるかもしれないが、実はモンスターハンターにはミラボレアスと関わりの深い赤衣の男という人物が存在する。

この男はアルバトリオンミラボレアスの一種であるミララースのクエスト依頼文を書いている人物である。世界の崩壊を招きかねない禁忌モンスターのクエストをギルドの関係者ではないものがクエストとして依頼するということもあって、彼はミラボレアスをはじめとした禁忌モンスターとの接点をもっていると考えられる。加えて、ミラボレアスにまつわる伝説を後世に残したと言われる赤衣を纏った詩人という人物がモンスターハンターの設定資料に載っている。同一人物であるかは定かではないが同じ赤衣という衣装であることから、やはりミラボレアスとの関わりが深い人物とも言える。

シリーズ全編を通してこの赤衣の男はクエスト依頼文でしか登場しないため、ミラボレアスの設定の背景と同様に裏設定という形でファンから考察されている。

監督によると裏設定を基に映画「モンスターハンター」のストーリーを構想していることから、古代文明の滅亡と関わる人物である赤衣の男はこの物語に関わってくる可能性が高い。それゆえに、ラストの人物は赤衣の男ではないか、と推測できる。

ちなみに、古代文明を抜きにすれば、ラストに出てくるゴアマガラのクエスト依頼文を書いた黒布を纏った狩人というキャラクターである可能性が高い。他にも黒衣の預言者とかいう赤衣の男の二番煎じ赤衣の男を彷彿とさせるキャラクターもいる。

正直候補が多くて誰かわからないけれど、禁忌モンスター絡みというか、黒幕っぽいキャラクターの中で一番ポピュラーなのは赤衣の男なので、記事では赤衣の男を最有力候補として位置付けた。ただ、筆者のおぼろげな記憶では黒っぽいくすんだ色の服を着ていた気がするから、赤くないんだよなあ

 

最後に

とりあえず、ストーリー考察勢たちのまとめを少々かじった程度の知識で書けるだけ書いてみた。

監督は裏設定を有効活用したいそうだが、正直裏設定の諸々を一般視聴者に求めるのは酷なものだろうと思わなくもない。ただ、一応この映画のストーリーを批判するのならばモンハンの裏設定という視点を考慮してからの方がいいかもしれない。アベンジャーズエンドゲームしかり、シンエヴァンゲリオンしかり、一本の映画を見るまでの下準備があってこそ真の感動をもたらす映画というものがある。まあ、映画「モンスターハンター」の場合、映像化はおろかゲームのファンブックという形でしか現れてないものを下敷きにするのはさすがにやっぱやりすぎだと思うが。

いちファンとしての感想としては、まあ冷静に考えると設定云々はわざわざ裏設定もってきたことに対して全肯定はできないなと思う。ただその点を除けば、モンスターの動きや生態に関してはかなり忠実に描いているし、アクションもゲームの挙動を映画的な表現へと拡大してくれていて、とても満足度のいく作品だったと思う。ラストが打ち切り漫画っぽかったけど。

総評としては、やっぱり面白い映画だったと思う。特に裏設定好きのファンにとっては裏設定を表舞台に出してくれたのは良いサプライズだったと思うし、モンスターハンターの世界をうまく映像化してくれていると思う。まだ見てない人は見て欲しいし、一回見た人はもう一度見るまではいかなくとも、単にノットフォーミーな映画だっただけという認識になってくれたらと思う。

裏設定ストーリーの参考として「モンスターハンター大辞典wiki」を大いに利用したので、リンクを貼っておく。もっと裏設定について知りたいという人は調べてみよう。

wikiwiki.jp

 

おまけ

筆者の考察とは方向性が違うけれど(というか、記事をほとんど書き終えた後に見つけたけど)、この記事なんかよりも広範で端的な解説記事がある(ゴアマガラ登場の理由についても書いてあるし、大団長がアルテミスを捕縛した動機もなんとなくほのめかされている)。

www.ign.com